中島廉売の現在と将来


中島廉売の現況(廉売小売市場の現況)
 
中島廉売は朝市、新川自由市場、二市場と異なり商店街の形態を有し、その中核となる中島町大通り商店街(中島町商店街振興組合)とその前面歩道の露天商からなっている。

 商店街のある大通りは、東西方向の直線的な道路をはさんで商業施設の集積があり、北側歩道上に露天商が出店し、南側には常設店舗の集積が多くみられ、商業密度が平均されている。業種構成では食料品店が60%を占めており、「衣料品」「身の回り品」店が15%、その他25%と最寄品店が主体となっている。五十五年には、常設店舗を中心に中島町商店街振興組合(組合員数八十四名)が組織されたが、他に中島町親睦会・仲通り会が結成されており、三者協調による商店街として現在に至っている。中島廉売周辺には豊かな人口をようする住居地域があり、買物客からは「食料品の街」「廉売の街」として評価を受けている。

 しかし、大型店等他住宅地域の商業施設の充実による影響も大きく、さらには駅前大門地区商店街と本町・五稜郭地区商店街の中間に位置しているため、顧客が分散し易い状況にある。

 また、駐車場施設の不足、店舗近代化の遅れ、露天商の短時間営業に対する消費者の不満など多様化した消費者ニーズへの対応の遅れが問題となっている。今後廉売市場として基盤を確立するためには、従来の廉価販売という消費者のイメージのみにたよる事なく、経営者意識の高揚、店舗施設の近代化、環境整備を積極的に推進して商業力を強化する事が肝要である。


中島廉売の振興策と将来展望

一、将来の基本的方向

 中島廉売は大きな転換期を迎えており、とりわけ大型大型店時代に入った主要地区商店街の動向は超競合の様相を呈している。そこで、次の四つを将来に向けて基本的方向としてその振興を図っていくものとする。

(1)個性化(エリア・マーケティング テーマのある街づくり)

 大型店時代の小売業は、各地域商店街がそれぞれ核となる大型店を有し、それを中心に顧客の誘引を図る。いわゆる多極間競争を 展開している。このような状況で各地区商店街がそれぞれ画一的商店街展開をしたのでは、顧客にマンネリ感与え総体的な低迷傾 向を招きかねない。そこで、それぞれのエリアの特色を発揮し、個性化・特化によってその振興を図る事が必要である。

(2)地区商店街の吸引力向上のための「マグネット」づくり

 地区商店街の振興には吸引力の工場が必要となるが、そのためには小売業ならびに商店街に関連した小売業以外の施設整備が必要 である。

(3)各種まちづくり計画と連動した商店街づくり

 均衡のとれた魅力ある商店街づくりにおいては、都市計画や土地利用計画など各種街づくり計画との連動が必要である。

(4)観光事業との連携による効果的な商店街づくり

 函館市は豊富な観光資源があり、南北海道の観光拠点となっており、これは函館市商店街に直接・間接的に大きく寄与しており、 将来とも観光レクリエーション需要が伸びると予測されている事から、観光拠点地区商店街においては観光関連設備の整備等観光 事業との有機的連携を持った商店街づくりが必要である。


二、廉売性小売市場の振興策(中島廉売)

 将来とも地域住民への生鮮食料品供給の場として、立地的諸条件を整備し、集客力を高めるなど次の施策を促進する。

 ア 最寄品センターとしての機能を発揮するため、商店規模の適正化、商店街の近代化を図り体制の整備の強化の促進。

 イ 協業化による核(共同店舗)の創出と吸引力を高める事により顧客の分散防止を実現し、商圏の拡大を促進する。

 ウ 買物客の安全、ショッピングの快適性を確保するため、商店街の街路整備事業促進を図ること。車による買物客の利便性を高   めるため、駐車場の整備を促進する。